仕事のやりがい

Vol.071
2021.04
理学療法士
勤続年数: 19年1ヶ月

チームに支えられて利用者さんとの9年越しの約束を果たせた理学療法士

ポプラ訪問看護ステーションに在籍して10年が経ちました。先日、ある女性患者さんとした約束を果たすことができました。長く担当させてもらっているこの女性には、訪問の時も楽しく会話をして、逆に自分自身が癒されて元気をもらうことも多い利用者さんです。しかし、加齢とともに徐々に身体機能が落ち、訪問先も自宅から施設へと変わりました。転んで怪我をされても全然懲りずに前向きでしたが、日が経つにつれ、独歩→伝い歩き→介助歩行→車椅子になり、とうとうエアマットを使用してベッド上の生活となってしまいました。そして、両腕は元の倍以上になり、関節の可動域も無くなり、覚醒レベルも低下、発語も無くなりました。しかし、私が行くと動くはずもない腕を少しだけ動かしてくれたり、聞き取れないほどの小さな声で何かを伝えようとしてくれました。「どこにそんな力が残っているんだろう」と意思の強さすら感じました。私はセラピストとして未熟で看取りの充分な介入が出来ず様々な葛藤がありました。しかしながら、喬成会の訪問診療や訪問看護、施設との関わりによって素晴らしいお看取りができたのではないかと思います。9年前の彼女との約束「私が死ぬ前の日までリハビリに来てください」をチームに支えられながら無事に果たすことができました。